元塾講師直伝!学習塾の選び方

中学生・高校生

 新学年!新学期!学習塾を選ぶ時のポイントはどこに?

 学年が変わるタイミングや、学校のテスト終了後は通知表やテストの点数など目に見える形で成績が出て自分の学力に意識が向くため、学習塾への入学や他塾への変更を考える人が増える時期ですが、自分にあった塾を見つけるためにはどのようなポイントを押さえると良いのでしょうか

 塾講師経験6年の私が講師目線で「塾選び」についてお伝えしようと思います

 

学習塾の種類と特徴(学習塾事情に詳しい方は読み飛ばしてください)

 まず簡単に学習塾の授業形態や特徴、それぞれのメリット・デメリットについてお伝えします(※あくまで個人的な印象や意見です)

集団・個別・映像?

1.集団授業

メリット :一致団結感が生まれ学習意欲の向上が期待できる
デメリット:学校の授業で理解できない人がついていけるのか疑問に思う

2.個別指導

メリット :わからないところを聞きやすい、個人に合わせた進め方をしてもらえる
デメリット:1人で勉強しているという状況が嫌になる場合がある、合う先生・合わない先生がいる

3.映像授業

メリット :映像を何度も見直したりスキップしたりできるので効率的
デメリット:自己管理ができないと座っているだけで時間が過ぎてしまう

通塾型?オンライン?

1.通塾型

メリット :強制的に学習モードに切り替わる。仲間がいるのでやる気が出る。
デメリット:親の送り迎えが大変。周りが気になって集中できない人には不向き。

2.オンライン

メリット :リラックスした環境の方が集中しやすい人にとっては好都合。塾が遠くても受講可能。
デメリット:自分の家だと集中を妨げる原因や誘惑がたくさんある。

予習授業・復習授業・苦手克服授業?

1.予習授業

メリット :学校の授業の理解度が上がる。発表や発現も増やせるため関心・意欲・態度の向上も期待できる。
デメリット:「塾でやったから大丈夫」という考えで学校の授業をおろそかにしてしまう

2.復習授業

メリット :大切なポイントを押さえながらの復習になるためテスト対策としては効率的
デメリット:各単元のポイントを全く理解できていないとそもそも復習の演習問題が解けない

3.苦手克服授業

メリット :とにかく効率よく。自分に足りないところを補うことができる
デメリット:全体的にほとんど理解していない人は苦手箇所が多すぎて授業時間が足りなくなる

大手予備校・個人塾?

1.大手予備校

メリット :圧倒的経験と講師の質の高さから授業の質も高くなる(受験対策にはおすすめ)
デメリット:塾によってはきっちりカリキュラムが組まれているので、個人に対応する柔軟性は個人塾に劣る場合がある

2.個人塾

メリット :地域の学校について熟知していることが多いので、学校のテスト対策などは手厚い可能性が高い
デメリット:講師の研修制度などにもばらつきがあるため、あたり・はずれが大きい

 

子供のタイプ別オススメ塾

Case1〈学校の授業では理解が追いつかず、テストで点数が取れていないため親が心配して塾に入れたい場合〉

 塾講師を経験して、実際に入塾を希望する理由として最も多いのがこのケースでした。
小学生の時は授業後すぐにテストをしていたためなんとなくで解いていた子が、中学生になり理解力と記憶力を問われた途端に点数が取れなくなり焦るパターンが多く、焦るのは子供ではなく親の方でした。

学校の授業についていけていない理由はさまざまだと思いますが、定期テストで50点〜70点(5〜7割)場合は「通塾型」「個別指導」「予習授業」がおすすめです。

 まずは「各教科の理解していない部分」ではなく「学習においてつまずく原因になっている部分」を塾講師と一緒に見つけることが必要だと思います。なぜなら、「勉強が嫌いだ」「勉強が苦痛でしかない」と感じている小中学生の中には1つのきっかけで自ら進んで宿題やテスト勉強に取り組めるように変わる子が多くいるからです。私が受け持った生徒の中にもたくさんいましたし、そのきっかけを探してあげることを私自身とてもやりがいに感じていました。このような機会は映像授業や集団授業で得ることが難しく、個別指導であっても授業形態がガチガチに決まっている塾でも難しいでしょう。

 以上のことから、「個別指導」の授業内容の柔軟性があるのかについて入塾前に事前に確認することも必要ですね。確認する方法としては「授業の中で講師の先生と本人で学習計画を立てる時間を設けてくれますか?」と質問してみると良いと思います。

Case2〈仲の良い友達に誘われて、子供側から入塾を希望する場合〉

 春季講習・夏期講習・冬季講習など学習塾が無料体験に力を入れる時期には、通塾生に「学校のお友達に対して講習を一緒に受けるように誘ってほしい」とお願いすることがあります。塾によっては、通塾生、体験の講習生ともに特典を設けていることも多く、何人も友達を誘って特典をたくさんゲットしている生徒もいたように思います。
 仲の良いお友達がいることで、塾に入ることへの抵抗がなくなったり通塾が嫌にならなかったり通い続けることへのハードルは下がります。しかし、仲良しこよしでは集中力を保って勉強に向き合うことがおろそかになる可能性も高いです。元々真面目な子たちの仲良しグループは授業形態に関係なく高め合って学力を伸ばしていくことができますが、小中学生がこのように高め合っていくことができるケースは珍しいです。

以上のような理由から、授業形態は「映像授業」「個別指導」などの個人のブースで授業を受けることができる形が良いでしょう。

 そして個別指導の場合講師一人が何人の生徒を一度に指導するのかも重要です。私が講師をしていた塾では1対1もしくは1対2でした。私は約5年半の塾講師経験の中で個別指導の生徒を何十人も担当しましたが、満足のいく指導をするには1対2でも精一杯でした。1対3で指導を行うところもあるようなので、入塾前には確認をするべきでしょう。
 また、映像授業では質問対応を行なってくれる「チューター」と呼ばれる講師がどのくらいの人数在籍しているかを確認すると良いでしょう。映像授業では大人の目が届かないところで生徒同士がおしゃべりをし始めるといったことも起こりかねませんので、しっかり管理してくれる講師がいるかどうかも重要です。

Case3〈よりレベルの高い高校・大学への進学のために学校の授業のみではなく受験対策ができる塾を探したい場合〉

 学校の授業はほとんど理解でき、学校指定のワークや参考書などは自力で解き進めることができるため定期テストでは80点以上とれるが、学力テストや模試では点数がとれず応用問題には対応しきれないので塾でよりレベルの高い問題を解ける力を身につけたいという生徒は周囲に強制されなくても勉強ができる子が多いと思います。
 ただ、より高いレベルを目指すとなると解く問題は基本的に「自分の知識では解けない問題」ばかりです。特に初めは解答を見ても理解できずモチベーションを保つことができないことが壁となります。このような生徒が塾の体験に来た時には「もったいないな」「誰か一人頼れる人がいれば」と思います。

 以上のような人には「大手予備校」「映像授業」「個別指導」「集団授業(上位校クラス)」「予習授業」がおすすめです。しかし、子供自身に学習意欲があり計画的に学習を実行する力もある人にはオンライン学習サービスも良いと思われます。学習塾に通うにはお金も時間もかかります。部活に精を出している学生も多いですし習い事などをしている学生もいると思います。時間は有限ですので隙間時間や自分の都合に合わせて学べるオンライン学習サービスはこのような学生には魅力的と言えるでしょう。

 

塾選びは慎重に!

 大学進学率が毎年上昇し、男女関係なく学びたいことがあれば進学するというような考えが増えて来ている今日この頃。奨学金制度の充実もあり、経済状況に関係なく大学進学を考える世の中になって来ました。しかし、どれだけ学ぶ意欲があっても経済的に問題なくても学力が伴わなければ希望する大学への進学は難しくなります。小学生・中学生の学習習慣がその後の人生における学習週間に影響を与えることは間違いないです。より良い指導、より良い講師に巡り合えるように慎重に塾選びをしてみてください。最近では塾選びをお助けしてくれるサービスもありますので活用してみるのも良いでしょう。

 今後の人生で一番若い瞬間は「今」です!「今」から自分を変えましょう!