えんぴつ丸評価★
おすすめ度(総合): ★★★☆☆
(中学生): ★★☆☆☆
(高校生): ★★★★★(特に生物を学習している学生)
(大学生): ★★★★☆(理系学生低学年)
(社会人): ★★★☆☆
読みやすさ(時間): ★★★★☆(1項目が短くて隙間時間にも読みやすい)
読みやすさ(内容): ★★★☆☆(病気に興味があるかないかでかなり変わる)
おもしろさ(興味): ★★★★☆
おもしろさ(笑い): ☆☆☆☆☆
※最近読書にハマりだしたので、評価者の読書レベルは高くありません ※私独自の視点での評価になりますので、偏りがあります 参考程度に評価をご覧ください
今回紹介する本は...
『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』です
この記事は
- 薬学生&塾講師経験をもつ女子大生が、病理学をわかりやすく解説している本を読んでみてどう感じたかをお伝えします(どのくらいのレベルの内容だったかなど)
- ネタバレは含みませんので、この本を今後読もうと思っている方でも安心してお読みいただけます
本紹介
本の詳細
出版社:日本文芸社
出版日:2019/6/25
ページ数:128
定価:935円(税込)
監修者プロフィール
志賀 貢(しが みつぐ)
医学博士
北海道出身。
昭和大学医学部卒、同大学院医学研究科博士課程修了。
「腫瘍細胞の細胞周期と放射性感受性について」で医学博士。
現在「横浜悠愛クリニック」理事長としてつねに臨床現場での病理・医学研究を続けるかたわら、患者に新しい正しい医学知識を身につけてもらうための啓蒙的著作を数多く世に出している。著書はミリオンセラーとなった『医者のないしょ話』シリーズ[角川文庫]を始め、『「からだと健康」ものしり雑学』[三笠書房]、『まちがい健康学』[毎日新聞社]、『大人の健康「新」常識』[PHP文庫]、『知的性生活』[角川新書]、『臨終医のないしょ話』[幻冬舎]、『「いのち」の奇跡』[インプレス]、『ポックリ往生の極意』[海竜社]など260冊を超える。
眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話|志賀貢 監修
目次
第1章 細胞、その不思議な正体
第2章 変身し、闘う細胞たちの驚くべき能力
第3章 体内を循環する血液の役目
第4章 知っておきたいがんの特性
第5章 いろいろあるがんの種類と原因
第6章 体の各臓器に発症するおもな病気と原因
この本をぜひ読んでほしい人
- 医療系学生(大学1年生)
- 生物好きな高校生
- 「病気」に対する関心が強い人
この本を読もうと思ったきっかけ
そこの本屋さんに行っても「眠れなくなるほど面白い」シリーズを目にしていて
栄養に関することや健康に関すること、社会・理科・数学・体育など、色んなジャンルがあるところにもとても魅力を感じていました
ただ、タイトルを見ると結構マニアックな内容のものも多く、興味はあるものの、全く知識0の分野も多くありました
読み始めて、専門用語が多発してきたり、理解できなさすぎて途中で読むのをやめてしまうのももったいないけど、タイトルにはすごく惹かれる…この葛藤を繰り返していました
そこで
とりあえず、自分の専門分野である「病理学の話」を読んでみてどんなレベルなのか確かめることにしてみました
読み終えて私が感じた印象をお伝えしたいと思います
この本に書かれている内容のレベルはどのくらい?
薬学部(6年制)に通っている私がこの本を読んで感じたレベルは
医療系学生であれば大学1年生で学習するレベルだと思いました(「解剖生理学」「病態生理学」と呼ばれる科目の内容の基礎的な部分といった感じでした)
なので、医療系大学生の3・4年生にとっては、知っている内容が多いかと思います
私は、目次を見て各章に書かれている内容が想像できるくらいでした
予備知識十分な状態で、面白く読める人たちは…
- 高校で生物選択の人
- 生物選択ではないけど、将来は医療系の学部に進学しようと思っている人
- 医療について深く学んでいないけど、生物系について学んだことがある人
- TVの健康番組などをよく見ていて、病気の名前や臓器の名前などを聞くことに抵抗がない人
このような人たちにとっては、ちょうど良い内容だと思います
一方で
じっくり一つ一つ考えながら読めば、面白く読める人たちは…
- 中学生
- 生物選択ではない高校生
- 病気にちょっと興味があるけど今までそれに関して勉強などをしたことがない人
この本にはイラストでの説明がたくさんありますので、文字情報のみでは理解しきれない部分もイメージしやすいでしょう
また、本文中の普段聞きなれない医療用語などにはふりがながついています
ただし、医療用語以外にはふりがながないため漢字の学習が進んでいない小学生にとっては少し難しいかなと思います
薬学部高学年の私がこの本を読んで良かったこと
この本は、医療に携わっていない人に向けて書かれていますので基本的には誰にでもわかりやすい言葉が使われています
また、専門用語が使われる時にはしっかり語句の説明もあります
将来、薬剤師として働こうと思っている私にとって
「誰でも理解できる言葉選び」という点での、学びがとても大きかったです
患者さんに対して説明を行うとき、専門用語をできるだけ使わないようにと思っていても
ずーっと医療用語に触れて学んでいると、どれが専門用語なのかわからなくなってきてしまいますし、誰でもわかりやすい言葉に変換して説明するということは意外と難しいです
本書では、一見して堅苦しく・難しそうな内容でも比喩表現などを用いて、柔らかい文章に変えていました
この点は、医療に携わる人にとって学べる点ではないかと思います